オリンパスよりE-P2発表。とりあえず評価して見る

数日前の話に成りますが、5日に海外で、Olympusからマイクロフォーサーズ第2弾としてE-P2が発表されました。
予想通り、黒のボディを投入してきました。
まだ、国内では発表となっていませんが、時間の問題だと思います。
値段と時期が気になるところです。

ぱっと見た感じの印象で評価して見ます。
E-P2では、新たに144万ドットの外付けEVFの装備が可能となったようです。
いままで、オリンパスのE-P1にEVFが搭載されていないことに不満を持っていた人には朗報ですね。

パナソニックのDMC-GF1用のEVFが20.2万画素であるのを考えると、このE-P2のEVFの詳細な解像度は特筆するものがあります。
仕様をチェックしてみましたが、追尾機能の増強・アートフィルター追加・動画撮影機能の増強で、メジャーバージョンアップと言うよりもマイナーバージョンアップと言った感じです。

レンズのロードマップも新たに発表されたようで、これからもますますM4/3は発展していきそうな感じがします。

ところで、この新製品発売について、既存のE-P1ユーザからは不満が出ているようです。
その多くは、こんな短期間で新しいのを出すくらいなら、はじめから小出しにしないで、機能全部乗せで出してくれ。といったものです。
E-P1の発表が2009/6/16ですから、わずか5ヶ月弱での新製品の発表です。
たしかにそのとおりかもしれませんが、デジタルの世界では日進月歩。
特にE-P1は、オリンパスから発表された待望のマイクロフォーサーズ第1弾なわけです。
市場の動きを見てから今後の方向性を決めたいと言うメーカーの意図もあったのでしょう。
デジタルの世界では、いち早く新機能を出したメーカーが注目度も大きく、完全に完成した形を待たずにある程度の機能でリリースしてしまうのはやむを得ないと思います。

デジカメは買った時点から価値がどんどんなくなっていきます。5年もたてば、ほとんど価値がなくなってしまいます。
それを理解したうえで、買うのがデジタル製品に対しての付き合い方ではないでしょうか。
オールドレンズとえらい違いですね。

それから、M4/3と言う規格が、「森ガール」と呼ばれる「女子カメラ」とか「PHat PHOTO」を好みそうな女性(つまりカメラのことあんまり知らない初心者の人たち)がよく分からずに使っていることを微妙に思っている人も世の中にはいるようです。

自分はそのことについては、むしろ初心者歓迎だと思っています。だれでもはじめは初心者だし、マニアばかりを取り込みたいんなら、別のメーカーのカメラいくらでもありますし、むしろカメラ人口が増えることに貢献していると言う意味ですごくいいことだと思います。

そもそも、カメラはメーカーによってマウント部分の規格を変えているため、ある程度売れてシェアを取らない限り、いずれは規格は消滅してしまいます。遥か昔のオリンパスのハーフサイズ一眼レフPEN Fのように。

私のM4/3の使い方は、あくまでオールドレンズ専用です。というかCマウントレンズ専用です。
フランジバックの関係で、現状では、マイクロフォーサーズ規格のレンズしか使えません。
ですので、なんとしても、オリンパスとパナソニックにはがんばってもらい、規格を長続きさせてもらわないと困るわけです。

いかに、非連動のレンズが使いやすく作られているかが、問題になるのであって、私にとっては、パナソニックだろうが、オリンパスだろうがどちらでもかまいません。

そして「私がこのカメラを買うか?」と言う肝心な結論ですが、答えは「保留」です。簡単に言うとレンズ買いすぎてお金がありません・・・。
とはいえ、詳細を見る感じHD画質の動画であればやはりDMC-GH1のほうがホールド感がよさそうですし、EVFが進化したといっても、いまだに動きの早いものを追うには残像が残ると言った限界があります。
E-P1のEVFはまだ見ていないので、分かりませんが、まだ厳しいのではないでしょうか。PANASONICあたりが、液晶テレビの倍速技術を応用して、早く4倍速くらいのEVFを出してくれたら、残像もだいぶ減るのではないかと踏んでいるのでもう少し舞ってみるのもありかなと思います。まぁデジタルは待っていたらいつになっても買えません。欲しい時が買い時ですね。

それから上記にも書いたように、発売後すぐに買うには高すぎますし、わざわざ初期ロットの問題がある可能性のものには手を出しません。
買うなら、ファームや機能が安定してからかうというのがデジタル物の定石です。

これからもマイクロフォーサーズが盛り上がって行ってくれるといいですよね。

Kern MACRO-SWITAR 1:1.4 36mm H8RX

手元にあるレンズの紹介です。

Kern MACRO-SWITAR 36mm F1.4 H8RX
Kern MACRO-SWITAR 36mm F1.4 H8RX

スイスのKern社のMACRO-SWITAR 1:1.4 36mm H8RXです。

このレンズ、H8RXと言う名前がレンズについているもので、マウントはCマウントスクリューであることには違いないのですが、16mm用のレンズではなく、8mm用のレンズだそうです。そのため、フランジバックの長さが違い、通常のCマウントの17.526mmでもなく、Dマウントの12.29mmでもないです。いつも良く参照させていただいておりますサイト「英国自転車 クラブモデル」さんによると15.305mmだそうです。つまり2mmほど短いと言うことですね。

画角が36mmなのでマイクロフォーサーズだとちょうど中望遠となるため、ポートレートにちょうどいいかと思いきや、上記の影響で近接撮影しか行えません。対面で座った人の顔のアップが撮れるくらいなので、人撮りには使えませんね。花などを撮影するのにちょうど良いと思います。

アルパマウントのMACRO-SWITARは、非常に人気があるようで、まったく手が出ませんが、このレンズは近接撮影しかできないと言うこともあって、割と手軽な価格で買えると言うことで、興味があったので、手に入れてみました。

Kernのレンズは、SWITAR 25mm F1.4を持っていますが、それとはまったく違った描写をして、とろけるようなボケ味は美しいの一言です。ポートレートに使いたい・・・。

改造して、無限遠まで出せることを期待して買ったのですが、無理そうです。残念。

MSオプティカル辺りに相談するものありかもしれないと思いましたが、レンズ自体が、G1/GH1/GF1/E-P1にしか使えないことを考えると、ちょっとそこまではできないなと言う感じです。

こういった、今までまったく利用価値が見出せなかったレンズが、マイクロフォーサーズの登場によって脚光を浴びるというのは、面白いですね。

   

カールツァイス改造記 その4

前回まで

CマウントのCarl Zeiss Jena Tevidon 25mm F1.4 は、マウント部の径が大きいため、マイクロフォーサーズのカメラに直接付けることができません。
そこで、マウント部の改造をしようと思い立ちました。

前回は、アダプタとレンズを固定するために、自分で設計したリングとスペーサーを業者に発注しました。

ここ

今回は・・・いよいよ発注していた金属が上がってきました。

業者の方と話をして、工作精度の関係で0.01ミリ単位の調整はこっちでやるしかないらしく、削りやすさと強度との兼ね合いから、アルミや鉄ではなく真鍮が一番いいというアドバイスを受けたので、素直に従ってみることにしました。(こっちは素人ですからね)

早速、装着してみようと思いましたが、 きつくて入りません。発注の際に緩くなるよりはキツメのほうがいいと思い設計したのがまずかったか?と思いましたが、やすりで削れば何とかなる量です。

真鍮は、想像以上に柔らかく、ちょっとマウント部分の擦り減りが心配な気になってきましたが、プラスチックよりは良いので気にしないことにします。

若干の修正をやすりで繰り返すこと数回、レンズの後玉側に装着できました。

ボディ装着側
ボディ装着側

ここまでくればもう出来たも同然です。フランジバック調整のため、発注したリングを少しずつ削って、ピントを確かめ、少し削って・・・を繰り返していきます。

最終的に、マウントアダプタに真鍮部分を固定してしまいます。

完成品
完成品

これで可逆的な改造が完了です。もし、元に戻したくなったらネジをはずして元の部品に付け替えれば元に戻せます。あまり戻す気はしませんが。

今回の改造では、元に戻せるというのがコンセプトでしたので、無事目的を果たすことが出来ました。

このレンズで写真を撮ると、周辺部が僅かにケラれます。フィルター枠にフィルターをつけてみましたが、ケラれ方は変わらなかったので、レンズ設計上の制約になるようです。
気になる量ではないので、トリミングせずに問題なく使えそうです。

撮影して見ました
撮影して見ました

このレンズの描写はボケがグルグルとまわるクセがあり、カールツァイス特有のコッテリ感のある画が取れるので、非常に気に入っています。
これで、思う存分 ツァイス生活を送ることが出来ます。

   

カールツァイス改造記 その2

ずいぶんと更新が遅くなってしまいました。
以前手に入れたCマウントのレンズCarl Zeiss Jena DDR Tevidon 25mm F1.4ですが、 マウント部分の直径が大きいために、マウントアダプタに最後までねじ込むことができません。
そこで、改造を試みたのが、前回の話でした。

ここ

指針
Cマウント部分をはずして、マイクロフォーサーズ化してしまう

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DMC-GF1を評価してみる

前回の記事では、基本的なことしか書きませんでしたが、もう少し考察して見ます。

Panasonic DMC-GF1は、パナソニックのマイクロフォーサーズ機の3代目ということで、今までとはすこしコンセプトを変えています。
デザイン面でのそれが一番大きく、今までの一眼レフを意識したデザインから、コンパクトデジカメを意識したデザインになっています

まず、概観ですが、コンデジ風の形となってはいますが、ユーザーインターフェイス部分は、G1,GH1とほとんど違いがありません。使いやすいと考えられます。
GH1で搭載されていた動画撮影ボタンが背面部から上部へ移動されています。スペースの関係かもしれませんが、押し方が、右手人差し指で押す形となるので、動画を取ろうとしたときにブレそうなのが、ちょっと残念です。
また、E-P1では搭載されていなかった、フラッシュが内蔵されています。自分の場合は、ほとんど使うことはありませんが、一般の人を対象とした場合は、搭載していたほうが便利でしょう。

E-P1のときに、コンシューマから要望が多かった外部EVFをオプションとして用意したのもポイントが高いです。私の場合は、最近では背面液晶でピントや構図を合わせることが多いですが、やはりファインダーがないと駄目と思っている人も多数いるようで、そういった要望を汲み取ることで、「初心者だけではなくある程度カメラを使える人もターゲットにしていますよ」と言うアピールになっている気がする。

撮像素子は、1210万画素のLive MOSですが、総画素数がGH1とは違うので、違うものを使用していると考えられます。このGF1では、AVCHD Liteまでしか対応させていません。つまりハイビジョン映像までということです。それで十分だとは思いますが、先に出ているGH1と比較してしまうとどうしても見劣りしてしまいますが、おそらくこれは、値段を考慮してということでしょう。この戦略は付属レンズがHD動画対応のレンズでないことからもわかります。

今回の機種はGH1などの今までのマイクロフォーサーズ機の延長ではなく、コンパクトデジカメユーザーの更なる取り込みを狙っているように思えます。パナソニックは、地デジへの移行でデジタルテレビへの注目が集まっているこのご時勢に、自社ブランドのVIERAとのリンクをアピールすることで、「デジカメもテレビもレコーダーもパナソニックで」と非常にうまく囲い込みをしようとしていますね。

今回DMC-GF1と同時に新しいレンズも発表されています。H-H020は、20mm/F1.7のパンケーキレンズで、この手のコンパクトなカメラには非常に良く似合いますし、実際、常用レンズとなる可能性が高いです。レンズの選択肢が増えるにしたがって、より面白い画を作ることが可能になります。

自分の場合は、Cマウントレンズしか使いませんが(笑

そして肝心のCマウントレンズの装着に関しては、内部のくぼみが、GH1と同じく丸くになっており、レンズ装着には問題ないと考えられます。

それにしても、このカメラにCマウントレンズを搭載した姿を想像すると、自分が持っているCマウント改造済みのYASHICA EZ F-924やKENKO DSC-50Nにどんどん似てきている気がします。

1年ほど前にコンデジでレンズ交換ができたらいいなぁと思い立ち、コンデジのレンズを無理やり取り外しCマウント化したときに自分が求めていた「コンパクトかつ被写界深度の浅さ」を実現したカメラがオリンパスに続き、パナソニックからもいよいよ登場したということです。