家の中の離れた場所にあるパソコンをネットワークへ参加させる手段として、
1.有線LANによる接続
2.無線LANによる接続
ほとんどに人が1 or 2の方法で、家庭内ネットワークを構築しているかと思います。
こんなこと分かりきっていて、今更感がありますが、それぞれ一長一短があります。
有線LANの長所
・通信速度が速い
・通信が安定している
有線LANの短所
・ケーブルの取り回しが大変
無線LANの長所
・ケーブルを敷設する必要がない
・設置が楽
無線LANの短所
・通信が不安定
・鉄筋だと通信状態が良くない
概ねこんなところでしょうか。
結局のところ、ケーブルの取り回しが面倒だったりしないのであれば、有線LANの方が優れているという事ですし、昔は無線機器も高かったですが、今では値段も安くてつながるのであれば無線の方が便利ですし、場合によってはiPadやiPhoneの用に機器が無線しか対応していない場合もあります。
だったら、有線だけで良いじゃんと言いたいところですが、コンセントのところに一緒にLANケーブルのジャックを敷設していれば取り回しも楽だし配線もスッキリですが、一昔前の家だとそんな事もなく、家の中を延々とあの青や白のケーブルが這いずり回る事になり、非常に見栄えも悪いですし、そもそも鉄筋コンクリート製のマンションなどでは穴をあけたりする事が出来ませんので、接続が不可能な場合も考えられます。
一方無線だと非常にスマートにネットワークを構築できますが、やはりマンションのような鉄筋コンクリート製の家ですとかなり電波状態が良くなく、ステーションが置いてある場所から真逆にある部屋などでは通信が非常に遅いです。
こういった問題を解決する手段の一つとして、PLCという手段があります。
PLCとは、
というコンセプトから生まれたものです。
前述のように、最近の無線LANは、途中に障害物がなければかなり十分なスピードが出ますが、途中に鉄筋コンクリートのような遮蔽物があるととたんに速度が落ちます。一方PLCに関しては、普通の有線LANと比べると速度的に劣りますが、それでも無線LANのような距離が離れる事による劇的な接続の不安定さというのは無くなります。ですので、PLCは遮蔽物のある場所では、かなり威力を発揮します。
ただし、いかんせん販売促進があまりされなかった事や家の中の電線の配線の具合によってどれくらいの速度を維持できるのかがかなり変わってくるので、実際に試してみないと分からないという、かなり一般ユーザには難易度の高い人柱的な要素を含んでいる上に、発売当初は値段が2万円以上したということもあり、実際にはあまり普及が進みませんでした。
同様のコンセプトでテレビの同軸ケーブルをネットワークケーブルとして使おうと言うc.linkという規格もあったようですがそちらもあまり流行らずに現在はサービス提供が中止されているようです。
自分としては、発表当初はものすごい画期的な商品が出てきたと思ったのですが、無線の普及が進んでしまい値段も安くなったので、需要が無くなってしまったのでしょう。
そんな感じで、鳴かず飛ばず感満載のPLCアダプタの新品未使用品が、先日投げ売られていましたので、興味本位で買ってみました。
自分が買ったのは、パナソニッック製のBL-PA310KT。同じパナソニックからBL-PA510KTと言うのも出ていますが、310はコンセント直結タイプで、510が補助コンセント付きの外付けタイプ。510の方が、ノイズフィルターが付いているので、少し性能が良いようです。
※環境によって結果が異なりますので、あくまで参考値になります。
別室のコンセントとリビングのコンセントにつないだPLCを使いBNR(http://www.musen-lan.com/speed/)を使い速度の変化を比較しました。
別室はすぐ隣なので、PLC無しの場合はLANケーブルを引っ張ってきて、ブロードバンドルーターに直結しました。
それでは、まずはPLCを使わないで通信した場合
下りも上りも30Mbpsちょっとと言ったところです。
では、PLCを使ってみると、、、
20Mbps位までおちてしまいましたが、それでも十分なスピードを維持しています。
環境によって減衰の具合は変わってくるでしょうが、このくらいのスピードが維持できるのであれば、マンションなどで、今まで無線のつながりが悪く不満を持っていた人にとっては十分すぎるスピードだと言えます。
マンションに住むならコンセントのところにLANコネクタが付いてないと駄目。と今までは思っていましたが、これを使えば、別の部屋でも速度が維持できるので、そういったことにこだわる必要がないと思いました。