工業製品としての価値

Leica M9が発表されました。

とうとうフルサイズの撮像素子が搭載され、しかもKodakのCCD。
ほとんどのメーカーがCMOSに移行してしまっている今、あえてCCDで行くと言うところに、他のカメラメーカーの素子(キヤノンやソニーの製品)を使いたくないと言うライカの意地を感じます。
とは言っても、ライカのデジタル製品は、パナソニックのLumixがベースのものが結構あるんですけどね。

まぁユーザーとしては性能がよければ、なんでもかまわないのですが。

今回発表されたライカのM9は、ブラックペイント仕上げとスチールグレーペイント仕上げの2種類があり、値段は77万7000円。

・・・高い。高すぎる。正直、デジタル製品にこの値段は出せない。
ただ、Mマウントのレンズ資産が大量にあって、もうフィルムで写真を撮ることに対して限界を感じてきたとか、どうしてもらいかブランドでなければ駄目だ。そう感じる人は買ってもいいのかもしれませんが。

そうでない人は、エプソンのレンジファインダーを買うか、もしくはサムスンから発売されると噂されるAPSサイズのレンズ交換式のカメラボディを待って買いましょう。おそらくライカのレンズは使うことができます。

もちろんマイクロフォーサーズでも問題ないと思います。10分の1以下で買えます。ただし、画角が犠牲になります。

ずいぶん前から感じているのだが、デジタルカメラが主流になってからと言うもの、カメラのモノとしての価値が格段に落ちたなと感じます。
性能面では確実に進歩しています。これは間違いありません。AF精度・連射スピード・露出調整のすべてが今のカメラのほうがいいです。
ですが、それ以上にデジタルカメラとしてもっとも大きな部分である撮像素子が、ものすごい勢いで進歩していて、性能がどんどん上がっています。
ですが進歩が早すぎて、2世代前には最上位であったとモデルと同等の機能をミドルクラスが搭載している、もしくは超えてしまっているなんていうのはよくある話です。

つまり数年前に100万円弱した機種と同等の性能の製品が、20万もあれば買えてしまうと言うわけです。
それでは、最上位機種に価値を見出そうなどと言う気持ちは、まったく起きません。

この状況はどこかで見覚えがあります。そう、数年前までのパソコンの状況と良く似ていませんか??
日進月歩で性能が向上し、数年前の製品はすぐに陳腐化してしまう。修理するなら買ったほうがいい。
何と言うかパソコンに対して、使い捨て感覚が生まれてしまっています。
現在はと言えば、状況はあまり変わっていません。

では、カメラも今後は、パソコンのような感覚になっていってしまうのか?と考えると答えはそうではないと思います。
たとえるならば、現在の時計市場のような感じになっていくのではないでしょうか?

時計は、100均で売ってる時計もあれば、億単位で売られている時計も存在します。
同じ機能を実現するのに、何故そこまで値段の差があり、そして高いものが売れ続けているのか?
単純に機能で言ったら、電波時計が一番正確なわけですから、値段を考慮しなければ、他の機構の時計は必要ありません。
しかし、高い時計は、ほとんどが自動巻きであったり、手巻きであったりとアナログな時計です。
これらは、ハンドメイドであったり、一点物であったり、貴金属や宝石を使っていたり、一生メンテナンスができるとか、性能の部分だけでは測れない付加価値の部分が非常に充実しています。
特に、一生メンテナンスが行えると言う部分については、今売られている工業製品とは一線を画している部分です。
現在の工業製品は、壊れてしまった場合は、非常に精巧すぎて、メーカーの部品がなくなってしまった時点で修理不能となってしまいます。価値がなくなってしまうということです。
つまり、物の価値が下がらないからこそ、それだけのお金を出してもいいと思えると言うことなのでしょう。

デジタルカメラも成熟期を迎え、そろそろカメラもこういった住み分けがされていく時期に入っているかもしれません。
現在の状況を見ていると、このままいくとフィルム(アナログ)カメラが無くなってしまいそうな勢いですが、クラシックカメラブームやオールドレンズブームと言った流れを見ているとカメラもアナログに回帰するのではないか。
私はそう感じています。

・・・フィルムが無くならなければと言う前提ですが・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です